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今週【7月16日(金)】のニュースファイル |
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岸田 |
伊藤洋一の round up world now! 今夜も一週間の主な出来事をピックアップして伊藤さんに解説していただきます。その前に、番組が選んだ今週のニュースファイルです。 |
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岸田 |
第22回参議院議員選挙は民主党が大敗し、与党の参議院の議席数は過半数を大きく割り込みました。民主党代表の菅総理大臣は、記者会見で続投の意向を表明しましたが、厳しい政権運営に直面しています。 |
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伊藤 |
これは後でゆっくり取り上げたいと思います。 |
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岸田 |
ファーストリテイリングは、貧困者向けの少額融資を手掛けるバングラデシュのグラミン銀行と今年10月に合弁会社を設立すると発表しました。バングラディシュ国内向けに、貧困層にも購入可能な価格設定で衣料品の企画や販売を行い、初年度に250人の雇用創出を目指します。 |
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伊藤 |
ファーストリテイリングは 今まで中国で ずっと作っていたんですけれども、一部の工場をバングラデシュに移しています。それぞれの関係でバングラデシュで貧困者向けの銀行業務をやって大成功している、ノーベル賞を貰ったんじゃなかったかな?そこの銀行と提携しよう と。「バングラデシュの国内では250人の雇用創出を目指す」と。多分ファーストリテイリングは資金繰りとか、そういうことじゃなくてバングラデシュの経済に寄与したい ということでグラミン銀行と手を結ぶんだと思うんですけれども、「それは結構面白い試みだな」と思います。 |
【寄与】きよ:(贈り与える意から)国家や社会に対して役に立つことを行うこと。貢献。「地域福祉の発展に―する」 引用元:広辞苑:岩波書店 |
岸田 |
アメリカの消費者専門誌「コンシューマー・リポート」は、アップルの高機能携帯端末「iPhone 4」の購買を「推奨しない」との声明を発表しました。3台のiPhone 4を精査した結果、受信能力に不具合が見つかったと説明しています。一方、マイクロソフトのケビン・ターナー最高執行責任者は、iPhone 4について、高機能でありながら普及しなかった自社のパソコン用基本ソフト「ウィンドウズ・ビスタ」になぞらえて、『iPhone 4』は、アップルの『Vista』になるかもしれない」と語りました。 |
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伊藤 |
皮肉を込めて、且つ自虐的に言っているわけですけれども、私は「iPhone4がVistaになる可能性はあまりない」と思うんですよ。まぁ、いろいろな報道が出ていて、1年前に この欠陥、「特に左手で持っていると電波が通りにくい(受信感度が悪くなる)というのが分かっていたらしいんです。でも、あのデザインをSteven Jobsさんが、ものすごく好きだ ということで そのまま出しちゃいました」と。今夜の2時でしたっけ?Appleが記者会見をするらしいので、どういうことを言うのか というところが問題で、今のところ コンシューマ−・リポートも、「Appleが発表しているバンドみたいなもの*1を左下のところに張れば全然問題ない」と言っていますし、リコールは せず にどういう風にする、「皆さん、こういう風にして使いましょう」みたいな記者会見になるんじゃないかなと思っているんですけれども、「彼がデザインが好きだから そのまま出しちゃいました」それもね、AppleらしいといえばAppleらしいんだけど(苦笑)次々とこれから対抗機種が出てくると言うことを考えれば、何か対策を考えなければならないでしょうね。 |
iPhone 4に関するAppleからのお知らせ 会見の様子(8分16秒 英語の動画)はCNN.co.jp:「iPhone 4」電波問題 専用ケースを無償提供へにもありました。 |
岸田 |
日本郵政グループは、現在の非正規社員を正社員に登用する計画について、3万4,098人の応募があったと発表しました。勤続3年以上などの応募条件を満たした社員はおよそ6万5,000人で、その半分以上が正社員になることを希望しました。8月から2度にわたり採用試験を実施し、11月をメド に正式に登用します。3万4,000人が正社員になった場合には、人件費負担が年間700億円程度増える可能性があります。 |
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伊藤 |
亀井さん、選挙では(国民新党は)一人も当選しない 惨敗になったわけですけれども、彼の敷いた路線で ここらへんは動き出しているということになると思います。ただし、「年間700億円もコストが増えるということについて、他の部分で どのくらいコストダウンができるのか」ということも含めて、ゆうパックの問題とか新しい経営陣が どう対処していくのか というのも このグループについては大きい問題なのかなと思います。 |
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岸田 |
日本振興銀行の検査妨害事件で、業務に関する電子メールを意図的に削除し金融庁による検査を妨害したとして、警視庁捜査2課は、元金融庁顧問で前会長の木村剛容疑者と、社長の西野達也容疑者ら5人を銀行法違反容疑で逮捕しました。 |
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伊藤 |
新聞段階ですけれども、いろいろな容疑が浮かんできています。メールを削除したというのもありますし、グループ企業に貸し出したお金がそのまま資本金として振興銀行に戻ってきたのではないか という疑惑もありますし、これは法律違反ではないんですけれども 木村会長が自社の銀行株を高値で売り抜けたんじゃないか とかいろいろな疑惑が持たれているわけで、警察の捜査が どう進むのか ということが一つ重要なのと、後任の江上さんも存じ上げているのですが、ビジネスモデルとして あまり担保を取らないで 「中小企業を元気にするために」という 掲げた看板は良いんですけれども、それを実務的にやろうとすると結構大変なんです。江上さんは「チャンスはある」と言っているんですけれども、相当工夫しないと そのチャンスが企業体として機能しないんじゃないかなと私は思います。 |
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岸田 |
アジアの新興国で景気の過熱を抑えるため政策金利の引き上げが相次いでいます。7月には、インド、マレーシア、韓国に続いてタイの中央銀行が1年11カ月ぶりの利上げに踏み切りました。高成長が続く中国、インド向けの輸出を軸に日本勢を含む企業が競い合い、域内の景気回復が勢いづいています。 |
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伊藤 |
今週は後でまた取り上げますけど、アメリカのドルが結構下がった背景は、アジア全体で利上げが進んでいるのに、アメリカは利上げの可能性がほとんど無くなって、もう一回流動性を高めるような措置が必要なのかもしれないという見方も出てきました。アジアというのは域内で強い需要を抱えていて、それがお互いに刺激しあっているということになっています。この中には出ていないんですけれども、「シンガポールなんかも相当景気が良くなってきた」というのが伝わってますから、アジアは自立的な回復基調に入った可能性が高くて、円もアジアの通貨だということで買われている現状かなと思います。 |
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岸田 |
国際通貨基金は、日本の経済・財政状況に対する年次審査報告を公表し、景気への影響に「特段の配慮」を払いながら「消費税を段階的に引き上げることに焦点を合わせるべきだ」と提言しました。 |
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伊藤 |
IMFは、そういうことをすることが仕事なので「余計なお世話だ」という気もしますけど、それはその通りなのでしょう。日本政府のサイドに資産がどのくらいあるのか分かりませんけれども、とにかく負債が大きいことは確かであるし、年間44兆円も増えているということも確かなので、やっぱり 「いつかの段階で、税収を増やす措置をとらなければならない」ということだと思います。だから、そういう意味では 真っ当なことを言っているな ということと、もうひとつ言うと日本というのは、IMFの資金規模からいって大きすぎるんです。ギリシャや韓国は助けられても、日本が実際そうなった時にIMFは何ができるかというのがよく分からないんですよ。もしかしたら、大きすぎて助けられない too big too saveということになるかもしれないので、「IMFが そういうことを言っていたな」と頭に置いて政治家の皆さんには政策を策定して欲しいと思います |
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岸田 |
米ウォールストリート・ジャーナル紙は、トヨタ車の急加速が原因で発生したとされた事故を調査してきたアメリカ運輸省・道路交通安全局が、「事故の多くは運転者のミスが原因だった」との報告書をまとめたと報じました。ブレーキを踏んだつもりで、実際はアクセルを踏んでいた例が多かったと報告しています。 |
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伊藤 |
これは昔から言われていたことで、「ブレーキが利かなかった」と主張する大部分の人について言えば、「何らかの形でアクセルを踏んだまま突っ走っちゃった」ということで、気が動転したりしてそうなるのでしょう。今回のトヨタの問題も、あれだけ大騒ぎしたけれども実際、大部分はそういう問題だった。ということに どうもなりそうです。ただし、私は 発表した翌日にトヨタ株が125円も上がったんですけれども、その後 トヨタがリコールを発表しているじゃないですか。他のメーカーも含めてなんですけれども、そういう意味では、きっちりと課題はあるんだ。それをどうやって少なくしていくのか、問題が起きたときに どうやって報告体制をとって機敏に対応していくのか というのが非常に重要だと思います |
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岸田 |
民主党の小沢・前幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地購入を巡る事件で、東京第1検察審査会は、2007年分の収支報告書を基に政治資金規正法違反容疑で刑事告発されながら不起訴処分となっていた小沢氏について、さらに捜査を尽くす必要があるとして、「不起訴不当」と議決しました。これを受けて東京地検特捜部は再捜査しますが、不起訴処分が覆る可能性は低いと見られています。 |
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伊藤 |
第1検察審査会とは別に04〜05年分について第5検察審査会というのが審査を進めています、そこは最初 起訴相当ということになって検察は不起訴ということをまた決めて、もう一回審査するんです。その結論が7月中には出なくて、どうも8月に入りそうだと。今度はメンバーが11人全部代わりますんで、どうなるかということで審査会レベルでは起訴相当とか不起訴不当とか相当小沢さんにとっては厳しい判断が出ているんですけれども、庶民感覚だと「自分の事務所のお金の出入りは全部秘書がやっていましたから私は知りませんでした」という問題も含めて不自然と思うのは当然かなと。あと私が思うのは、「国の大きなお金の出入りを見るから、事務所はどうでもいい」ということではなくて、事務所のお金もきっちり見られるような人が政治家にならないと国のお金の出入りもきっちり見られないんじゃないかなと。「私総理大臣やっていましたが、財務相に全部任していました」だと困るわけで、任せないで最期まで事務所のお金も見る というようなスタンスがこれからの政治家には必要なのかなという風に思います。これは民主党とか自民党とかいうのではなくて きっちりとお金の流れも見られるというのが必要だと私は思います。 |
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岸田 |
都市と農村で異なる戸籍制度の緩和により農民の都市住民化を進め、生活水準の向上を図ってきた中国の戸籍改革が、難航しています。住宅の確保などの条件を満たして都市に永住できるのは、富裕層が中心で、出稼ぎ農民ら大多数の貧困層が置かれた状況には改善が見られません。相次ぐ労働争議の背景に旧態依然の戸籍制度があるとみる専門家も多く、中国社会の安定にとって緊急の課題となっています。 |
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伊藤 |
とにかく不動産なんかの値上がりも、都市なんかを中心に行われているので いくら農民工の人達が都市で一生懸命働いても、貰えるのは どうなんでしょう?せいぜい2万5,000円くらいですかね?見る間に不動産価格が値上がりしていまして、やっぱり一種絶望感に囚われる*2んだろうと思うんです。せっかく戸籍制度がなくても俺達は都市には住めないのか?となるわけで、だから中国は いま和解社会というスローガンを掲げているわけですけれども、経済実態は乖離社会みたいな 和解どころか乖離しちゃっているわけです。だからそういう意味では中国の経済成長が多くの人に希望を与えていたことは確かなんですけれども、農村から都市に働きに来ている豊かではない人にとって優しいかと言うと優しくない。だから争議も起こるし 軽々しくは言えませんが一部の人達が絶望感に囚われていろいろな行動に出ているということも言えるんじゃないかなと思います。 |
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岸田 |
今週のニュースファイルでした。 |
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