伊藤洋一のRound Up World Now! 7月23日(金)放送分の文字起こし

冒頭部分

冒頭部分
伊藤 皆さんご機嫌いかがですか。伊藤洋一
岸田 岸田恵美子です
伊藤 いやぁ 明日も そうなのかも しれないんですけど、今週は1週間 暑かったですね。「もう、そんな話題は聞きたくない」と思っておられる方がいるでしょうけれども、私は なるべく外に出ないように しましたよ。どうでした?
岸田 オフィスにいると一番涼しいかもしれませんね。
伊藤 そうですね。商品名を言っても良いのか知らないけれども、○カリスウェットとかナトリウム系の飲み物をしっかり飲んで、私は水シャワーをしました。水でシャワーをすると「ちょっとお水の無駄遣いかな?」と思いながら「しかし、ちょっと許してください」という感じでしたけども。今日が大暑でしたっけ。(暦の上では)一年で一番暑い日ということになりますけれども、お身体には気をつけてこの番組をお聞きください。


今週【7月23日(金)】のニュースファイル

今週【7月23日(金)】のニュースファイル
岸田 伊藤洋一round up world now! 今夜も一週間の主な出来事をピックアップして伊藤さんに解説していただきます。その前に、番組が選んだ今週のニュースファイルです。
岸田 経済産業省の調査によりますと、2009年の個人向けのネット通販の市場規模は6兆7,000億円となり、前の年よりも10%拡大しました。個人の取引全体に占めるネット通販の割合は2.1%でした。
伊藤 これは私も結構いっている話なんですけれども、人々が買い物をするルートというのが路面店からネットやテレビ,ラジオ通販とか、いろいろなものに多様化していくプロセスの中に現在は います。日本の小売り統計を見ると、「小売りはデパートとかスーパーがあまり良くない」という話はあるんですけれども、「日本のGDP統計を見ると ほとんど消費の割合が変わっていないので、そういう変化に対してどう対応するか」というのがモノを売っている会社さんのチャレンジなのかな。という気がします。
岸田 三菱地所グループは、今年7月に中国人観光ビザの発給要件が緩和されたことを受けて、千葉県の成田空港の近くに、低価格を売り物とする大型アウトレット施設を2013年春にも開業します。敷地面積は、およそ20ヘクタールを予定しています。
伊藤 今週も そうでしたけれども、(学校が)夏休みということもあるんでしょう。私は今週、心斎橋筋を歩いたんですけれども、本当に中国語が前後左右から聞こえてくるという状況の中で、「本当に日本は中国の方々が多くなったな」と思います。中国の方といっても台湾,香港から来られる方メインランドから来られる方、メインランドでも上海や北京など大きな都市から来られる方、または四川や その周辺などいろいろな中国の方が いらしてまして、成田空港は日本の玄関なので、「最後に成田でブゥワーッと買い物をして帰ってやろう」という中国の方もいらっしゃると思うので、最初に買ったら どこかに荷物を預けておくしかないですけど、アイデアとしては良いのかな。という風に思います。
岸田 内閣府大塚耕平副大臣は記者会見し、公開の場で規制が必要かどうかを議論する「規制仕分け」を年内にも実施する意向を表明しました。制定から20年以上変更していない規制は、自動的に見直しの対象に加える方針です。
伊藤 これは良いことだと思います、日本は、いつも申しあげているとおり 人口が5,000万も6,000万も増える中で戦後60年を歩いてきたわけですけども、その時に作ったルールというのは、古くなっているものが多いですし、テクノロジーが ものすごく変わりました。社会のワーキングというのも少しずつ変わってきているし、権利意識というのも変わってきているし、見直さなければいけないことが いっぱいあるわけです。だから私は、事業仕分けもそうなんだけど、「むしろ規制仕分けの方が景気の回復に役立つのではないか」という風に思っています。是非 菅内閣の一つの成果として残して欲しいなと思います。
岸田 シャープは、電子書籍事業に年内にも本格参入すると発表しました。タブレット型の電子書籍用端末を発売するほか、出版社などに幅広く連携を呼びかけて電子書籍の制作支援や配信サービスも始め、アップルの高機能端末「iPad」などに対抗するビジネスモデル作りを目指します。記者会見したシャープの大畠昌巳(おおはた・まさみ)執行役員は「電子書籍ライフに革新を起こしたい」と語りました。
伊藤 「もっと早くやってくれ」という気がしますけど。後でまたこの問題は取り上げたいと思います。
岸田 荒井 国家戦略・経済財政担当大臣は、7月の月例経済報告で基調判断について「景気は着実に持ち直してきている」との前の月の評価を据え置きました。一方、先行きの不安要素としてアメリカ経済の下振れ懸念を新たに加えたほか、株価の低迷などから先行きに慎重な姿勢を示す国内企業が中小から大手に徐々に広がっているとの表現も盛り込みました。
伊藤 日米の景気については、また後で申しあげますけれども、株価が上がったと思ったら下がって、下がったと思ったら上がってと。ちょっと日本の株価は基調的には下を向いているようには見えますけれども、そのまま下げ続けると私は思っていませんので、結構難しいところですよね。アメリカの企業の収益なんかは良いところも多いわけで、「景気判断が難しい時期に入ってきたのかな」という感じがします。
岸田 文部科学省は、日本のスポーツ全般の底上げを図る「スポーツ立国戦略」案をまとめました。今後のオリンピックで過去最多のメダル獲得数を目指すほか、引退したトップ選手を地域スポーツクラブの指導者として次世代の選手を育成する、さらに、高齢者の体力づくりを後押しするための体力検定制度を創設するなど総合的な推進案を打ち出しています。
伊藤 サッカーワールドカップもそうなんですけど、国にとってスポーツで良い成果を収められる選手がいるということは、国民の志気とか意気を高めるという効果がありますから、変な形で中間搾取が起きない形に、団体の役員に巨額のお金が行ったって しょうがないので、日本のスポーツ全体を トップの選手もそうなんですけど、国民全体からしても高齢化の時期なので体を鍛えていけるような環境を作る。休みも取得できるようにしていく、そういう努力が必要なのかな。これは また後で申しあげます。
岸田 エーザイは、生産コストが先進国の2分の1弱とされるインドで、主力製品のアルツハイマー認知症治療薬「アリセプト」の生産を開始し、2011年をメドに日米欧に輸出します。国内の製薬大手が主力医薬品を新興国で生産するのは、エーザイが初めてです。
伊藤 インドでは日本の企業は、スズキ自動車も含めて生産活動しているわけですけれども、インドは世界的にみても薬の分野で先進的な国です。インドの企業が日本の企業を買ったり、日本の企業がインドに進出したりしていますので、ナイストライかなと思います。アルツハイマー認知症治療薬ということで、そういうものを海外でも生産していくというのは、これから需要は増えるんじゃないでしょうか。「日本で生産したい」という気持ちはあったんでしょうけれども、やっぱり「技術者の確保とか そういうことも含めて海外進出も考えた」ということだと思います。
岸田 FRB=アメリカ連邦準備理事会のバーナンキ議長は上院銀行委員会で証言し、アメリカ経済は引き続き緩やかに回復するとしつながらも、「失業者数の減少に向けた進展は以前の見通しよりやや遅い」と語りました。金融政策については「異例の低金利を長期間維持する可能性が高い」とし、ゼロ金利政策を継続する方針を改めて示す一方、「経済見通しは異例なほど不確か」と指摘し、今後の情勢次第ではもう一段の緩和措置を打ち出す可能性を示唆しました。
伊藤 これは また後で取り上げます。
岸田 金賢姫(キム・ヒョンヒ)元・北朝鮮工作員が日韓両国政府の合意に基づきチャーター機で来日し、拉致被害者の家族らと面会しました。記者会見した、横田めぐみさんの父、滋(しげる)さんと母、早紀江(さきえ)さんは、夕食を含めおよそ3時間半にわたる面会について、めぐみさんの消息に関する新たな情報は何もなかったことを明らかにしました。
伊藤 金賢姫 元死刑囚は今日(2010年7月23日)帰ったのかな。いろいろな見方があります。横田夫妻が嬉しそうな顔をしているのを観ると「良かったのかな」という風に感じる人もいるでしょうけれども、「あれだけVIP待遇の必要があったのか」という感じを持つ人もいると思います。新たな情報は無かったと。「無かった」ということになっていまして、彼女が北朝鮮を出たのは1987年なので、もう20年(23年)も前の話です。そうすると「元々新しい情報は期待できなかったのではないか」と思います。私は「拉致被害者の家族の方々が喜んでいるのは 喜ばしいことなんだけれども、そこまでする必要は なかったんじゃないかな」と。もっと日本政府は、彼女に依存しない情報の収集と拉致問題の解決をすべきだと思います。
岸田 アメリカのマイクロソフトが発表した4〜6月期決算は、売上高、純利益とも過去最高を更新しました。新しい基本ソフト「ウィンドウズ7」が好調だったほか、クラウドコンピューティング事業も順調な滑り出しとなり、主要5部門すべての売上高が2ケタ増となりました。
伊藤 Amazonはあまり良くなくて市場予想より悪かったのかな。afterで株が下げていたので、マイクロソフトはどうかな?と思ったら ものすごく良かったです。金曜日のマーケットがこれからどうなるのか分かりませんけれども、企業収益は全般に好調ということです。どうして そういうことになるかというと、国民経済と企業の経済というのはカバーエリアが違いますからね。企業は途上国とか強い経済の部分もカバーしているので、「企業の好調さが いかに 国民の経済に結びつけていくのか」というところが、これからの課題なのかなと思います。

今週【7月23日(金)】のポイント

バーナンキ証言「unusually uncertain」をこう聞いた
バーナンキ証言「unusually uncertain」をこう聞いた【7月23日(金)】
岸田 それでは今週の主なニュースを解説していただきます。まずはマーケット,金融市場…
伊藤 今週は特に、一番 目立ったのは、バーナンキさんの法律で決まっている年に2回の議会証言じゃないでしょうか。
岸田 上院と下院で行いました。
伊藤 両方やられて、最初の方がマーケットのインパクトが大きかったですよね。私は全文読みましたけれども、日本の新聞記事の見出しになっている「異常に不確か」という、その部分の英語は「unusually uncertain」となってて、「まぁ、よう分からん」という話です。異常なほど不確かと言うと、経済は あまり不確かなことを歓迎しないので、あの後はドーンとニューヨークの株が下がって、長期金利も下がって、円高が進んで という形になって、あの物言いは どうだったんだろうかというきがします。
グリーンスパンだったら、なんだか意味のよく分からない単語を使って変化球を投げたんですけれども、バーナンキというのは超直球ですよ。「unusually uncertain」と。日本人が聞いても「こんな言葉を経済の見通しに使ってもいいのかな?」という風な。
全文を見ると、彼が言っていることは こういうことです。「雇用の伸びも異常に遅いとか、しかもヨーロッパで ああいう財政赤字に対する懸念が高まっていて、いつもの回復期より今の回復期は見通しが立ちません」ということを言っているわけです。
私は、彼が言っていることは確かに難しい問題を ハカランデ(不明?? 11:51)いるのは、2008年,2009年にアメリカでは800万人の雇用が失われたそうです。今年に入って、大体毎月10万ずつくらいの雇用が伸びているんですけれども、アメリカは年間240〜250万人 人口が増える国なので、とても足りない*1わけです。失業率も10%から下がってはいるけれども、まだ9.○%と非常に高い部分にあるので、その「雇用が どうしても伸びない」というのがバーナンキさんの頭の中にあるのでしょう。 2010年6月で9.5% 2010年7月発表のアメリカ失業率(2010年6月) >> 独立行政法人 労働政策研究・研修機構(JILPT)
先ほども申しあげたとおり、企業決算を見ると結構(業績が)いい企業があるわけですよ。だから株価は企業決算が良いとドーンと上がって、でも「全般経済は良くないですよ、失業率も高いですよ、失業率が高いうちは あまり消費は伸びませんよ」と見通しが立つとドーンと落ちるということを繰り返しているわけです。
企業政策として できることは限られているとしても、「これからどうなるんだろう?」というのは、我々だけではなくバーナンキさんも先行き不安になってきている。その不安が各マーケットでの相場の反応になっているんだろうと思います。
アメリカが そういうことなので、日本も経済財政担当大臣が7月の月例経済報告で「基調判断を据え置いたんですけれども、先行きの不安要素としては アメリカの下ブレ懸念」ということを言っていると。まぁ不安はありますよ。不安があるということは先行きはアメリカでもヨーロッパでも、ちょっとどうかな?というところはあります。だから、日本として相次ぐ利上げを行うほど景気が良くなっているアジアの方に活力の視点をいかに求めていくかとか、視点が必要なのかなと。
私は いつも思うんですけれども、世界は多様ですよね。ヨーロッパ…いや、アメリカは借金漬けの生活の部分が今問題になっているわけであって、ヨーロッパもギリシャなどは低いカネでどんどん借金したツケが回ってきています。アメリカの消費者がちょっとお金を借り過ぎちゃったと。だけれども途上国は非常に強いわけであって、アジアなんかは皆 利上げモードに入ってきているわけです。
トルシェ総裁は今週「利上げすべきだ」みたいなことを言っていますので、「uncertainなんですけれども、需要は世界的に売ればまだ強い」というのが私の見方で、「いかに経済の形を新しくパワーを発揮しつつある所に向けていくのか」というのが非常に重要だと思います。
そういう意味では、「ヨーロッパを見て,アメリカを見て」という経済政策じゃなくて、「強さを発揮しているアジアの需要をどうやって取り込んでいくのか」というのが大きなポイントだと思うので、ちょっと視点を変える必要があるというのと、
今週出てきたのは、FRBも日銀も 「もしかしたら新たな緩和に踏み出さざるを得ないかもしれない」という観点です。バーナンキさんの発言を見ていると、そこまではまだ考えていないようです。日銀の政策金利については海外の新聞なんかでも「もしかしたら日銀が新たな緩和措置…」をWall Street Journalだったかな?書いていたと思いますけど、私は そこまでは いかないんじゃないかな?という風に思っていますけど。
それにしても ちょっと、直接的すぎる言い方ですけれども、uncertainなことは確かなので、それぞれの企業は「売り上げとか そういうものを いかに確保したらいいか」というのを工夫していく。特に日本の輸出企業の高級品依存というのを少し改めて いかなければ ならないと私は思います。
岸田 財政出動の手段が限られる中、やはり金融政策への期待というところが、今週特に高まってきているなと感じたんですけれども。
伊藤 金融でやれる部分というのは、そんなに大きいわけではないですよ。金利面でいえば もう下がられないわけじゃないですか。だから私は、大塚耕平さん(内閣府 副大臣)が言っている「規制仕分け」とか、手を付けていないところが いっぱいあるわけですから、そういうことを優先してやるべきであって、アジアの諸国が利上げをしている時に またここで金融緩和したらインフレの芽を撒く危険性だってあるわけじゃないですか。「まだやり残してきたことは何か?」というところをしっかり見ていくことが必要だと思います。
何かがある度に、財政か?金融か?という話ではなくて、日本は もっと需要喚起できる手段は あると思っています。

シャープの電子書籍市場本格参入に思う
シャープの電子書籍市場本格参入に思う【7月23日(金)】
岸田 続いて、今週シャープが年内にも電子書籍市場に本格参入すると発表しました。 シャープ、電子書籍に本格参入 端末2種を試作 :日本経済新聞
伊藤 今週衝撃的だったニュースは、アメリカでの統計なんですけれども、「紙の本の売り上げを電子書籍の売り上げが上回った」という。多分、金額ベースなんでしょう。このニュース、私は びっくりしました。「アメリカってのは、進み出すと すぐすすむなぁ」と。アメリカで今典型的に売れている電子書籍ツールは、SONYのReader,AmazonKindle,で 新しく登場してきたAppleiPadということになります。その3つがあれだけシェアを採っていくということは、日本でも いずれ そういう時代が来る。だから「日本のメーカーさん、やっとやる気になったかな」という感じがします。
シャープの電子書籍ツールって、記者会見やって一応見られる状態になったんでしたっけ?記者会見行ってきたんでしたっけ?
岸田 記者会見に行ってきまして、試作機というのが発表されたんですけど、大きいのと 小さいのがありまして、大きい方は かなりiPadに近い形なんですね。小さい方は、大人の男性の手のひらに すっぽり入るくらいの大きさでした。
伊藤 だけどiPhoneより ちょっと大きい という感じですか?
岸田 iPhoneに ちょっと大きい気がしたんですけど、近くで見ないと分かりませんが、「アメリカでも展開したい」と意欲的な発言でしたね。
伊藤 私は、iPadを持ち歩いているのですが、希望があるとすれば もうちょっと軽く,もうちょっと薄くしてくれないかな?と。日本の企業は、それができるだろうと いう気がします。これは個人的なことで申し訳ないのですが、来年の春に新潮社から電子書籍を私も出すことになりましたので、「それ(来春)までに いろいろな機種が出ていて欲しいな」という風に思います。
岸田 それは楽しみですね。

政府の「スポーツ立国戦略」への注文
政府の「スポーツ立国戦略」への注文【7月23日(金)】
岸田 それから、政府が「スポーツ立国戦略」を打ち出したということなんですね。
伊藤 事業仕分けやると思ったら、今度はスポーツ立国か」みたいな。やっぱり感じたんでしょうな、あれだけW杯で あれだけ盛り上がって。やっぱりスポーツというのは、昔の東ドイツみたいな形で 変な形で国力を高めるというのは良くないんだけれども、国民の意識を鼓舞する。はやぶさも そうでしたけど、だから私は2つ必要だと言っているんですよ。テクノロジーで国民を鼓舞することと、スポーツで国民が まとまるきっかけに なるようなことを すべきだと思っているわけです。
今ですとIKAROS(イカロス)なんて うまく飛んでいますから ああいうものは良いし、 〜翼を広げて〜 IKAROS(イカロス)専門チャンネル   イカロス君 (ikaroskun) on Twitter  wikipedia:IKAROS
スポーツもW杯が結構良かったじゃないですか。あれだけでも日本の雰囲気相当変わりましたよね。そういう意味で私は、お金を使っていくことは良いことだ。ただし、「団体の役員の給与が高くなった」とか、そういう事では全然ダメな わけです。今中間搾取が、中間搾取とは失礼だけれども、末端まで いかないんです、中消えしてしまうんです。真ん中で消えちゃうんです。そこが良くないので、それをやっぱりスポーツを実際にやっている団体の活動に いくような形でお金も使いながら、国民の健康増進とスポーツへの高い成果に結びつけていただきたいなと思います。
岸田 今週のニュースファイルでした。

今週の気になる作品

書籍『即答するバカ』(梶原しげる新潮新書

今週【7月23日(金)】の気になる作品
岸田 今週の気になる作品のコーナーです。伊藤さんが注目されている映画や本など、世の中の作品諸々について独自の視点で語っていただきます。
伊藤 今日は、新潮社の新書です。ほんとこの会社は「バカ」が好きだなと思うんですけど(笑)、「バカの壁」というのがメチャメチャ売れたじゃないですか。
岸田 そういう書名に「バカ」が入っていると。
伊藤 そうです。今度は『即答するバカ』という本で
岸田 いやぁ、刺激的なタイトルですね
伊藤 刺激的なタイトルで、これは誰が書いたかというと、文化放送のアナウンサーだったんだけど、1992年からフリーになっている「梶原しげる」さんという、元のアナウンサーの方が書いていて、私が面白いなと思ったのは、「今の若者の言葉というのは、即答するバカの答えが多い」と彼は言っているわけです。
この中で面白いのは「言葉というのはものすごくコミュニケーションできるツールになるんだから、非常に重要ですよ」ということを言っていて、その通りの話がずっと並んでいるんですけど、「進級の達人に学ぶ毒舌力」というところが特に面白かったです。毒舌をふるいながら結構愛されている人っているじゃないですか。
岸田 タレントさんでも いらっしゃいますよね。
伊藤 毒蝮三太夫さんとか、あの方は「クローズアップ現代」にまで出ていましたよ。国谷さんに向かって第一声が「あなた本当に綺麗ですね」と言うんだよね。今でも鮮明に覚えていますけど、毒蝮三太夫さんの話も出てくるんですけれども、言葉って投げられ方によって全然違うわけでしょう?
岸田 えぇ。
伊藤 「厳しい言葉なんだけど、この人は自分を見ていてくれるな」というところが、聞き手にとって安心感があるし、ばか丁寧な言葉というのは、丁寧なんだけど「こいつ オレを馬鹿にしているんじゃないか?」と思うこともありますし、だから そういう意味では、この場をある意味扱っている人間としては、非常に面白いなと思いまして
いろいろな方がいると思います。この番組を聴いている方の中でも「対人関係があまりうまくいかない」とか、あまりに ばか丁寧に言っているんで「お前 本当は違うことを考えているんじゃないか?」とか言われる という人がいると思うんですけど
この本は割合にストレートに どういう言葉を使ったらいいのか。例えば「問いかけられたときに、リターンを返したらいいのか」ということを扱っているので、そういう方には参考になるんじゃないかなと。私も時々ゲラゲラと笑いながら読みましたので面白い本かなと思います。
岸田 即答が悪いんじゃなくて、言い回しに工夫が必要ということなんですね。
伊藤 そういうことです。「ちょっと下工夫で人間関係が ものすごく良くなる」ということをこの本は書いてあります。
岸田 面白い。この帯の所に書いてあるのが「trust me」とか(笑)いろいろ書いてありますけれども。
伊藤 誰か語っていましたね。
岸田 今週の気になる作品は、書籍で『即答するバカ』(梶原しげる新潮新書)でした。

Check the Tomorrow

Check the Tomorrow
岸田 明日以降予定されている内外のイベントの中からポイントになるものをピックアップします。
伊藤 weekdayとしては来週は最後の7月週です。どうなんでしょうか、暑いんでしょうか 暑くないんでしょうか、まぁ暑いんだろうな
  • 7月26日(月)
    • 米6月シカゴ連銀全米活動指数
    • 米6月新築住宅販売件数
    • EU・IMF・ECBがギリシャに調査団を派遣(8月6日まで)
    • タイ休場
  • 7月27日(火)
    • 6月企業向けサービス価格
    • 米5月S&Pケースシラー住宅価格指数
    • 米7月コンファレンスボード消費者信頼感指数
    • インド政策金利決定
  • 7月28日(水)
    • 米6月耐久財受注
  • 7月30日(金)
    • 7月都区部/6月全国消費者物価
    • 6月家計調査
    • 6月労働力調査
    • 6月鉱工業生産(速報)
    • 6月住宅着工件数
    • 6月建設工事受注
    • 臨時国会召集へ
    • 米4〜6月GDP(速報)/個人消費(速報)/コアPCE(速報)/雇用コスト指数
    • 米7月シカゴ購買部協会景気指数
    • 米7月ミシガン大学消費者信頼感指数(確報)
    • ユーロ圏6月失業率
    • 韓国6月鉱工業生産
岸田 来週は国内企業の4〜6月期の決算発表、ソニーを始め 大所が出てきますので、為替の影響なども気になるところですよね

番組エンディング

伊藤 ということで、伊藤洋一
岸田 岸田恵美子でした
伊藤 Ate' breve*2 Obligato*3


番組公式サイト:伊藤洋一のRound Up World Now! | ラジオNIKKEI


番組存続のためにご協力くださいiTunespodcastをダウンロードおねがいします


下図のように、番組公式サイトの右側にiTunesへ登録するリンクがあります。



脚注

*1:800万の雇用が失われ、年間120万の雇用が伸びても毎年増える250万もあり 雇用は足りていない

*2:See yoo soon

*3:ありがとう