伊藤洋一のRound Up World Now! 7月30日(金)放送分の文字起こし


ラジオなので、音声を聞くことができない方も番組を楽しんで頂けるよう、文字起こしをしております。

冒頭部分

冒頭部分
伊藤 皆さんご機嫌いかがですか。伊藤洋一
岸田 岸田恵美子です
伊藤 いやぁ 今週は天候もマーケットも変化が激しかったですよね。境南かは涼しいんですけれども、水,木曜なんかはものすごく暑かったです。マーケットも週前半は株は高かったのですが週後半に下ブレして、これは主に為替なんですけれども、結構目まぐるしい一週間でした。来週もいよいよ8月に入りますけれども、またマーケット相当動くのではないかと思います。


今週【7月30日(金)】のニュースファイル

今週【7月30日(金)】のニュースファイル
岸田 伊藤洋一round up world now! 一週間の主な出来事をピックアップして伊藤さんに解説していただきます。その前に、番組が選んだ今週のニュースファイルです。
岸田 ヨーロッパ銀行監督委員会が実施した資産査定=ストレステストの結果は、景気や市場環境が予想外に悪化した場合に自己資本が足りなくなる銀行は7行、資本不足額は合計35億ユーロと、事前の市場予測を大幅に下回りました。査定の前提条件が甘く、信頼回復にはつながらないという見方が出ています。
伊藤 そういう見方が一般的なんですね。資本不足額については予想を大幅に下回りました。「もっと資本が不足しているんじゃないか」という見方が強かったにも拘わらず*1ユーロは その時かなり上がりました。今まで売り込まれていたというのも あるのだけれども、秋にかけてヨーロッパのマーケット もう一回これをトライしに来るんじゃないかなという風に思いますけれども。「夏の間はみんな安心する数字で過ごしましょう」と。私は(ストレステストの結果が)甘甘なので、もう一回ヨーロッパの不安というのは、よみがえるんじゃないかなと思います。
岸田 伊藤忠商事会長で、戦後初めて民間から起用された丹羽宇一郎・駐中国大使は、日本記者クラブで講演し、人民元相場について「こういうことを大使がいうと問題 があるが」と断ったうえで「個人的に言うと、数年のうちに1ドル=4〜5元にならざるを得ないだろう。つまり中国の輸出競争力が落ちていく」と語りました。
伊藤 (現在1ドルは)6.77元くらいですので、4〜5というと30%とか40%とかという切り上がりになるので、相当な切り上がりになりますよね。日本の歴史を観ると360円が現在86〜87円になっているわけで、「だけども中国が、そこまでやるのかな?」という感じがするのと、中国の輸出競争力が落ちていくということは、為替もありますが賃金が上昇してくると言うことが大きいと思います。ベトナムなんかよりも(人件費が)相当高くなっているので、丹羽さん 民間から出た中国大使ということで期待しているんですが、「発言は ちょっと大胆なものが多い。そういう意味では面白い」という風に思います。
岸田 インターネット検索最大手、アメリカのグーグルは、アメリカの政府機関専用のクラウドコンピューティングサービスを始めたと発表しました。ネットを通じて電子メールやスケジュール管理などのソフトを提供し、通常のサービスとは別のサーバーを使うなど安全性に配慮します。マイクロソフトも同様のサービスを手掛けており、競争の激化が予想されます。
伊藤 政府機関専用のクラウドコンピューティングサービスというのは、事業仕分けも含めて各省庁別にいろいろなシステムを作っていますから、いつか日本政府もやるんだろうと思います。それ(政府機関専用のクラウド)は日本のメーカーに発注する可能性が 私は高いと思います。政府機関のスケジューリングをGoogleMicrosoftなどに任せるわけにはいかない、そういう意味では日本のコンピューターメーカーが「クラウドサービス」と叫びながら、実は あまり進んでいないことを私は懸念しています。政府の行政効率の向上,コストの低下という面でも日本のコンピューターメーカーがクラウドコンピューティングサービスに力(ちから)を入れてくれればなぁと思います。
岸田 国内ポータルサイト最大手のヤフー・ジャパンは、アメリカのグーグルと提携交渉に入りました。検索サービスの中核技術となるグーグルの検索エンジンをヤフーが採用すると見られます。実現すれば、国内検索シェア5割を超えるヤフーと、シェアおよそ3割のグーグルが手を組むことになります。ソフトウエア世界最大手、アメリカのマイクロソフトは、「日本ではグーグルがすべての検索情報を支配することになる」との声明を発表し、市場で競争環境が損なわれるとして反対を表明しました。
伊藤 これは、また後で詳しく取り上げます。
岸田 日本経済新聞社がまとめた2009年度コンビニエンスストア調査の結果、店舗ベースで見た国内売上高の伸び率が、1978年の調査開始以来2番目に低いプラス1.1%に落ち込んだことがわかりました。店舗数は2.1%増えており、コンビニ市場の飽和感が強まっています。2010年度は大手4社の閉鎖店舗数がおよそ1,500店と3年ぶりに増える見通しです。
伊藤 この問題も、また後で取り上げます。
岸田 中国の民営航空会社、春秋航空が運航する上海発のチャーター便の第1便が、茨城空港に到着しました。3月に開港した茨城空港の国際定期便は韓国・仁川(じんせん)行きの1路線にとどまっており、10月以降、定期便への移行を目指す春秋航空の就航に期待が高まっています。
伊藤 でも、これ結構 はちゃめちゃ な航空会社で、最初社長が上海ー茨城間往復4,000円と ぶち上げて、でも来日したら「4,000円は当面無理だ」みたいなことを言ったり、立ち席を検討しているとか。「飛行機で立ち席をどうやって検討するんだろう?」と。革新的な航空会社はそういうことをするのかな?あと、キャビンアテンダントは離陸,着陸の時はキャビンアテンダントの仕事をするんですが、それが終わったら直ちに売り子になって いろいろなものを売るとか。茨城空港にとっては嬉しいんですけれども、中国で急激に伸びている航空会社なので興味はありますけど、乗ってみたいような,乗ってみたくないような,怖いような。そういう感じがします。
岸田 産業能率大学が、2010年度に入社した大卒と高卒の新入社員400人を対象に、6月末にインターネットで実施した意識調査に対し、新入社員の2人に1人が海外で「働きたいとは思わない」と回答しました。2001年度の調査開始以来、最も高い比率です。「どんな国・地域でも働きたい」との回答は3割でした。
伊藤 こういうレポートを聞くと、「やっぱりそうなのか」と ちょっと残念な気持ちになります。私なんかは どちらかというと20代の後半に海外へ行っていたので。でも、それがものすごく後の人生に役立っているんです。その時に覚えた言語、英語なんですけど それも役立っていますし、う〜ん ちょっと残念ですね。確かに日本は安全で、ものは美味しいし、住みやすいんでしょうけど、若い人達には なるべく若いうちに海外を経験しておいて欲しいなと思います。 7月2日放送分では 英語の重要性をおっしゃっていました。
岸田 インターネット小売り世界最大手、アメリカのアマゾン・ドット・コムは、電子書籍端末「キンドル」の新しい機種を8月に発売すると発表しました。コンテンツ取り込みに電話回線を使う機種に加えて、無線LANを使う機種もそろえ、無線LAN型の価格は139ドル=およそ1万2,000円と、従来よりも安く設定します。今後、電子書籍端末の値下げ競争が加速しそうです。
伊藤 アメリカでは電子書籍の方が冊数で上回っているという説もあります。日本は まだまだ なんですけど、この分野で相当 端末ベースで激しい争いが出てくるというのと、電子書籍そのものがものすごく増えるんじゃないでしょうか。私も来春をメドに新潮新書から新しい電子書籍を出そうと思います。ただ、これは本と同時に出します。
岸田 FRB=アメリカ連邦準備理事会は、ベージュブック=地区連銀経済報告を公表し、総括判断で「経済活動は全体を考慮すると引き続き拡大しているが、2地区ではおおむね水準が横ばいとなった」と指摘しました。アメリカの一部の地域で景気回復に減速感が出てきたことを示しています。
伊藤 これは当然じゃないでしょうか。だって、カンフル剤を打って景気が拡大してきたアメリカなんですけど、やっぱり家計の痛みとか そういうものはあるわけでして、不動産価格によるものが大きいのですけれども、痛んでいる中で消費を無理矢理引き上げようとしても、これは難しいわけです。私は 「わざと景気を引き上げるという努力ではなくて、むしろ調整をスムーズに進めさせる経済政策が重要だ」と思っています。だから 無理して ここで消費を奨励して景気を上げても、また腰折れするわけですからアメリカ経済の成長が、ある程度なだらか になるというのは 世界にとっても良いことだと思っています。
岸田 日産自動車が発表した2010年4〜6月期連結決算は、最終的なもうけを示す最終損益が1,066億円の黒字となり、1年前の165億円の赤字から急回復しました。利益水準は金融危機前のほぼ2倍に相当します。中国など新興国向けの販売が好調だったことに加えて、日米向けも改善しました。
伊藤 日産は どちらかというとハイブリッドの時代は2番手くらいにいた会社なんですけど、これからは電気(自動車)ということで、日産はリーフを発売予定にするなど電気自動車にものすごく注視しています。私はテストカーに乗った*2んですけど、タイヤが路面を打つ音しか聞こえない非常に良い車で、実際に出てきたら また乗ってみたいんですけど、そういう意味では ちょっと日産自動車の時代が始まりつつあるのかなという感じがします。 日産リーフのテストカーに乗った 6月4日放送「今週の気になる作品」のコーナーで紹介しています。
岸田 今週のニュースファイルでした。

今週【7月30日(金)】のポイント

ヤフー・ジャパンのグーグル検索エンジン採用に問題はないか?
ヤフー・ジャパンのグーグル検索エンジン採用に問題はないか?【7月30日(金)】
岸田 それでは今週の主なニュースについて、さらに詳しくお話を伺っていきます。まずは、日本のYahoo!Googleと提携交渉をしているということが明らかになりました。
伊藤 Yahoo!Googleというのは、アメリカでも一旦提携を検討したんです。でもアメリカの独禁当局が「好ましくない。まかり ならん」ということで向こう(アメリカのYahoo)の話が頓挫*3したんです。ところが日本では「Yahoo!JapanがGoogle検索エンジンを採用することで話が進んでいる」と。それについて日本の独禁当局は、運用の仕方とかいろいろ問題があるので完全なgoを出しているわけではないが、今のところ静観という形になっていまして、Googleと対抗するMicrosoftが「けしからんじゃないか」というところまで来て、ちょっと国際問題的に なりつつ あります。
現在、日本の検索シェアを見ると、Googleが3割でYahoo!Japanが5割を超えているわけで、日本はYahoo!Japanの立場が非常に強いんですね。技術的にはGoogleの方が優れている面もあると言われていて、Yahoo!JapanはアメリカのYahoo!と経営形態が違っていまして 日本の場合、ソフトバンクが株主の第1位です。2番目にアメリカのYahoo!が入っていて、「Yahoo!Japan独自の経営判断としてGoogleと組む」と。GoogleYahoo!Japanが組むと日本では9割近いシェアになるということになりますんで、「これは どうなんだろう?」と。
だからMicrosoftは「日本の検索市場はGoogleによって牛耳られることになる」と。Yahoo!で検索してもGoogleで検索したのと同じ検索結果がGoogleのサーバーから検索結果が出てきますので、私は「やはり競争は、あった方が良い」と思います。
ですから「日本のYahoo!も検索技術を磨くことによって、是非Googleと対抗して欲しかった」という風に思うんですな。みなさん「ただの検索」と思われるのかもしれないんですけど、これは非常に大きなパワーを持っていまして、CMにも使えるし その人が何に興味を持っているのか?というところまでLog checkできる(履歴を さかのぼれる)わけです。だから、そういう意味で言うならば「日本の検索市場も競争の中にあった方が良い」と思っていまして、「さすがに8割,9割を一つの検索エンジンが生み出すというのは、ちょっと行き過ぎかな?」と私は思うんです。
検索エンジンの歴史を見ると次々に新しい会社が出てきた経緯もあるので、Yahoo!が圧倒的だったところにGoogleが出てきて世界的にシェアを伸ばしているわけですから、日本の独禁当局も、ただ単に手放しでOKと言っているわけではないので、その辺の牽制が効くことが望ましいと思っています。私はYahoo!JapanがGoogle検索エンジンを遣うということには、どちらかというと批判的です。
岸田 私も普段はGoogleで調べているんですけど、Yahoo!で調べると 違うものが出てくるんで それが面白いんです。
伊藤 それが良いんですよ。それが全部一緒になっちゃうと面白くも 何ともなく なっちゃうじゃないですか。しかもGoogle検索エンジンの結果というのは ものすごく重要なんですよ。例えば「港区 靴」と入力したときに出てくる店の序列によって販売高が全然違いますからね。
要するに、検索で上位に表示される店というのは、昔でいうところの 駅ナカとか駅周りのお店という感じですよ。何かを検索したときに数十万件、ひどいときには百数十万件が出てくるわけです。検索の結果が最初に示される、最初の4つか5つくらいしか みんなは見ないんですよ。
岸田 そうですよね。
伊藤 40万件出てきて、そのうちの40万件目を調べる人はいないわけで、そうすると検索エンジンが示す検索結果は商売に直結するので多様性があった方が良いという風に思います。科学に重きを置いた検索結果もあるだろうし、品揃えとか いろいろな要素「○○で調べると こうで、□□で調べるとこうなんだ」というのが非常に重要なポイントだと思います。



日産の好決算をこう見る
日産の好決算をこう見る【7月30日(金)】
岸田 続いて、日産のニュースがありました。4〜6月期の決算発表 大幅な黒字に回復したということで、特に中国などで小型車ティーダなどが好調だったということで国別ではアメリカを抜いて中国の売り上げ最大になったそうです。
伊藤 そうですよね。私は日産自動車というのは さっきも ちょっと申し上げたんですけど、ハイブリッドを開発していなかったわけじゃないんでしょうけど、製品として目立ったものは出てきませんでした。だから「トヨタ自動車がハイブリッドでブイブイ言わしている時に(笑)、どちらかというとゴーンさんの改革が まだ途上みたいなところがありましたが、ティーダの成功ということでカムバックしてきた」ということだと思います。
最近、リコールなんかも出してはいますけれども、「ライバル会社よりは少ないのかな?」という印象があります。加えて私はこの前(5月31日)日産の研究所にリーフのテストカーを試乗しに行って、「なんか 良い車だな」と思ったんですが、人気は高いみたいですよ。「電気自動車の分野で今度は日産が先を行く」と。 伊藤さんのブログで試乗の様子を写真と共に紹介しています。
電気自動車の時代の中で、とりあえず日本のメーカーでは先陣を切って「リーフを大量生産し始める」ということで、注目の会社ということです。
ただし、電気自動車というのは いろいろ課題もあって、「インフラがまだ整っていない」ということもあります。トヨタプラグインハイブリッドを出してきますし、課題はいろいろあります。でも日本第二位の自動車メーカーであるわけでして、決算も良くなって 「電気自動車が売れれば日産自動車の評価というのが かなり上がるのではないか」という風に思います。
だから「リチウムイオン電池を使った電気自動車で日産が どのくらい成果を収められるか」が これからの試金石かなと思います。
岸田 また、アイドリングストップ機能を持たせた新型マーチの受注も非常に好調だそうですよね。
伊藤 マツダ(株)もアイドリングストップの機能を持ったクルマを出していますけれども、省エネと一言で言っても いろいろな考え方ができますよね。 マツダアイドリングストップi-stop」のページです。(音声が再生されます)【MAZDA】i-stop いつもどおりの運転で、知らないあいだにエコドライブ



コンビニの低成長に打開策はないか?
コンビニの低成長に打開策はないか?【7月30日(金) 】
岸田 続いてコンビニエンスストアの業界なのですが、低成長,飽和感が出ているということです。
伊藤 これは消費というのは人間の数に比例するところが一番大きいわけでして、日本の人口が頭打ちになったというところで、しかも、私の住んでいる街を見てもコンビニだらけです。「ここにも、あそこにも」といって、一つの地下鉄の駅なんですけれども、4つくらいコンビニがあります。
岸田 分かります。大体一つの街に複数コンビニがありますよね。
伊藤 今までは、若者が夜中でもコンビニに行って買い物をしていたということだったんでしょうけど、人口全体が高齢化してくると何が起こるかというと、「あんまり出かけない」という人が増えてきますから、私は ずーっと前から これを言っています。
コンビニは「街のホッとステーション」という宣伝があったじゃないですか。あれは なかなか良い表現で、そこに行けば フッと温かいものが食べられる,お菓子が食べられる,必要なものが手に入る ステーションなんです。ただし、お年寄りなんかは そこ(近所のコンビニ)まで行けないケースがあるわけじゃないですか。
だから私は、「コンビニは街の小さなネットワークのハブになるべきだ」。コンビニの近くに住んでいる おばあちゃんが、「砂糖や味噌が必要だ。でも、こんな夜に出かけたくない」コンビニと繋ぐちょっとしたネットワークがあって、味噌を押すと「あの おばあちゃんは味噌が欲しいみたいだ」となってはいたつするとか。 ハブ【hub】(1)(活動などの)中心。中枢。  (2)車輪などの中心部の、軸とスポークの間の部材。→こしき(轂)。  (3)コンピューター‐ネットワークの集線装置。引用元:広辞苑
つまり、人が来てくれるということではなくて、ネットワークのステーションに ならなければ いけないと思っているんですよ。それはスーパーだと結構遠いですよね。コンビニだと結構近くにあるんですよ。もちろんコンビニなどが無い所もいっぱいあるので、検討は必要なんですけれども、大体人口密度が高い所にコンビニがあるわけです。
そうすると、「コストが かけずにネットワークを作って、いろんな人達のニーズを拾っていくか」というのが必要だと思うんですよ。お昼ご飯の時に安い弁当を持って若い人達が並ぶというのも、それはそれで商売なので必要なことなのだけれども、私はコンビニが街のハブになるべきだと そういう気持ちを持った方が良いと ずっと思っています。
拡大路線でずっと きていましたけれども、「そろそろ どう考えても もう行き詰まりかな」と思っていて、ニュースで「2010年度はコンビニ大手4社の閉店店舗が1,500店と3年ぶりに増える予定です」と そういうアイデアが必要 なのかな?と思います。。
岸田 以前から宅配の重要性を指摘されていましたけれども、もうお店の方から出向いていかないとだめだということですね;
伊藤 商売の基本です。
岸田 今週のニュースファイルでした。

今週の気になる作品

今週【7月30日(金)】の気になる作品
岸田 今週の気になる作品のコーナーです。伊藤さんが注目されている映画や本など、世の中の作品諸々について独自の視点で語っていただきます。今週は?
伊藤 今週も本を紹介したいと思うんです。このスタジオに来る前にちょっと読んでいたんですけど、それは千葉法務大臣が今週死刑を執行したのですが、この問題に関連して「死刑が是か非か」という議論が高まっているんですけど、今週ご紹介する本は新潮新書で「死刑絶対肯定論」という本なんです。
これはどういう本なのかというと、特徴なのは「無期懲役囚」の著者が書いている本なんです。実際に刑を受けている人が書いている本だというところが一番重要な点です。このラジオを聴いている方の中でも死刑肯定論,否定論いろいろあると思います。
でも議論が「今の刑務所の中が実際どうなっているのか、どういう人が入っているのか」ということもあまり知られていない面もありますし、「無期懲役の判決が出た人達が刑期の半分くらいで皆出所する」といわれて、私も信じていたのですが、そうではなくて結構長く入っている人もいたり、あと「死刑に相当する罪を犯した人達が どういう人達か」というのも実は我々は知らないわけです。
私も死刑賛成,反対の議論には一つ意見があるのですけれども、ここは「非常に変わった視点から書かれた 変わった著者が書いた本」という意味で、この本を死刑に賛成の人も反対の人も読んでみるのがいいんじゃないかなという風に思います。
それで、この本は表題の通り死刑肯定論です。それは それなりきに この本を書いた人の主張があるわけでして、「死刑に関して一歩入った議論ができるんじゃないかな」という風に思います。
岸田 帯には「死刑こそ人間的な刑罰である」と書かれていますね。
伊藤 その点についても皆さん意見があると思います。私はここでコメントしませんけれども、お読みになって判断されればいいかなと思います。
岸田 今週の気になる作品は、書籍で『死刑絶対肯定論―無期懲役囚の主張―』(美達大和/新潮新書)でした。

Check the Tomorrow

Check the Tomorrow【7月30日(金)】
岸田 check the tomorrowです。明日以降予定されている内外のイベントの中からポイントになるものをピックアップします。
伊藤 いよいよ8月ですね。そろそろ暑さも山を越えて欲しいんですけれども、東京は お盆,8月15日くらいまではダメなんでしょうね。田舎は涼しくなりますけど。
  • 8月2日(月)
    • 衆議院予算委員会(3日まで)
    • 7月新車販売台数
    • 米7月ISM製造業景況指数
    • 米6月建設支出
    • 中国7月HSBC製造業PMI
    • インド6月貿易収支
    • カナダ市場休場
  • 8月3日(火)
    • 米6月個人所得・支出
    • 米6月製造業受注
    • 米6月中古住宅販売
    • 米7月国内自動車販売
    • 豪8月政策金利決定
  • 8月4日(水)
    • 参議院予算委員会(5日まで)
    • 米7月ADP雇用統計
    • 米7月ISM非製造業景況指数
    • 英中銀金融政策委員会(5日まで)
    • ユーロ圏6月小売売上高
  • 8月5日(木)
    • 7月オフィス空室率
    • 米7月チェーンストア売上高
    • ECB理事会
  • 8月6日(金)
岸田 アメリカでは7月の景気の指標がたくさん出てきますけど、「製造業がどうなっているか」というのが非常に注目されて、これでドルが…
伊藤 そうですね。製造業…、あと景気そのものも ユーロが ちょっと強くなった一方でドルが弱くなっていますから、そこらへんが雇用統計や製造業の統計で どう動くのかというのがポイントだという風に思います。
岸田 check the tomorrowでした。



番組エンディング

岸田 伊藤洋一round up world now! そろそろお別れのお時間です。
伊藤 夏ということで皆さん、おやすみを楽しんでおられる方もいると思いますけど、またこの番組にもメールを頂ければなという風に思います。サッカーが終わってちょっと寂しいなと思っていたら、アルゼンチンから これもまたちょっと寂しいなというニュースが入ってきまして、マラドーナ監督がドイツに あんなひどい負け方をしちゃったので、どうなるのかなと思っていまして、一時は「続投」と出たんだけど、直近のニュースでは「やっぱり退任」ということになっちゃいましたよね。
サッカー協会の会長に記者会見でボロクソに「嘘つき」と言ったという。
岸田 (爆笑)
伊藤 彼らしいじゃないですか。
岸田 そうですね。
伊藤 多分ね。私はこう考えているんですよ。「一回引いた方がよかった」と。あのままやるよりも一回引いて、「じゃぁ他に誰かいるのか」と。「国民的人気があるのはマラドーナだ」と。あのときも華がありましたよ。ボールの蹴り方も上手かったですし、そういう意味で彼はやっぱり「アルゼンチンのスターであると同時に世界の人気者」という面もあります。
行い*4は いろいろ問題がありましたけれども、そういう意味ではこれからも注目される一なのではないでしょうか。というわけで、伊藤洋一
岸田 岸田恵美子でした
伊藤 Ate' breve*5 Obligato*6




番組公式サイト:伊藤洋一のRound Up World Now! | ラジオNIKKEI


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脚注

*1:かからわず

*2:6月4日放送「今週の気になる作品」で紹介した

*3:とんざ

*4:おこない

*5:See yoo soon

*6:ありがとう